岩松 暉著『二度わらし』10


宅習時間

 大学審議会が学生の成績評価を厳しくするよう提言する方針を決めたと、1998年6月9日付け朝日新聞に載っていた。現行大学設置基準(文部省令)では、1年間で30単位取得するためには、1週間に15時間の授業と30時間の予習復習が必要条件になっている。しかし、文部省の調査では、社会科学系学生で自宅学習時間は週6時間どまりだったという。理科系の学生はもう少し多いだろうが、似たり寄ったりであることには違いあるまい。
 私の子供が小学校に入学したとき、担任の先生が「宅習時間は最低でも学年かける10分はやらせてください」と話されたそうである。1年生なら10分、2年生なら20分というわけである。そうすると今の大学生は小学校6年生並みという勘定になる。ただし、この小学校の先生の話しは20数年前の基準だから、今の子供たちは塾通いしたりして、もっと勉強しているはずだ。結局、大学生が一番勉強していないことになる。

(1998.6.11 稿)


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更新日:1998年6月11日