山王日枝神社/ノキシノブ/カナブン/学校田/野良猫/寛容の世界/昆虫展/小倉祇園祭/曽根干潟巡検/黒雲/鶴丸城堀/大賀ハス/夏祭り/茶摘み機/泥遊び/セミ/バラ風呂/磯遊び

鹿児島のご隠居(2010.07)


★山王日枝神社

 防災啓発研修講演会で講師を頼まれて前日上京した。宿は溜池山王にとったので、荷物を置きに先に寄ったついでに山王日枝神社に参詣した。在京中各地の神社仏閣を回ったが、ここは来たことがなかったからである。さすがに由緒のある神社で、宝物殿には国宝や重文の刀剣類が飾ってあった。天然記念物の日本鶏も飼っていた。
 夜には霞ヶ関の官庁に勤めている卒業生が集まってくださり、楽しい宵になった。卒業生が第一線で活躍している話を聞くのが一番うれしい。(2010/7/1>

★ノキシノブ

 連日の梅雨空、家に閉じこもりっきりでいささかうんざり。災害を心配していたら、霧島市で土砂崩れがあり、犠牲者が1名出た。湧水町では用水を見回りに行った方が1名亡くなった。残念。今日は久しぶりに晴れたので、桜島大正噴火資料集のことで市役所まで出かけた。帰宅後、駐車場のマキを見たら、着生植物のノキシノブが着いているのに気づいた。楠の大木に着くものだとばかり思っていたが、こんな小さな木にも着くとは。それだけ、マキも老木になったのだろうか。それとも手入れが悪かったからだろうか。(2010/7/5)

★カナブン

 今日は梅雨の晴れ間、鹿大に鹿児島県地質図編纂の用事があって出かけた。南大隅町で大きな斜面崩壊があったらしいから、見に行きたいところだが、まだ住民の方が避難中なのに不謹慎、Google Earthで現場を探したら、3年前にも同じ場所で同様な崩壊があったらしい。衛星写真に鮮明に写っていた。Google恐るべしである。こんな田舎なのに、まめに写真を交換している。見たところ阿多溶結凝灰岩基底からのケービングによる崩壊のようだ。1977年の竜ヶ水災害と同じタイプらしい。午後はとても蒸し暑かったが、夜になって雨が降り出した。カナブンが網戸に来て止まった。雨宿りをせがんでいるのか。(2010/7/8)

★学校田

 選挙のため中学校に出かけた。目の前なのに最近は中に入れない。池田小学校事件以来、外部の者は不審者扱いだからである。久しぶりに中に入ったら、小さな田んぼがあった。私が出た中学は新潟県の田舎の中学である。広い学校農園があり、「農業の時間」もあった。その時間に、「根性が曲がっているから畝が曲がるのだ」と先生に叱られたことがある。穀倉地帯だから大部分が農家の子、農作業はお手の物だが、私は非農家出身、初めての作業だから曲がって当然なのにと、ふくれたものだ。(2010/7/11)

★野良猫

 毎日雨続きでうんざり、少し晴れ間が出たので折りたたみ傘持参で散歩に出かけた。公園で野良猫が二匹日なたぼっこをしていた。やはりコンクリートは多少暖かいから濡れた毛が乾くのだろうか。(2010/7/13)

★寛容の世界

 NHK100年インタビューを見た。今日はこの春に亡くなった免疫学者多田富雄氏である。免疫とは侵入した病原体、つまり非自己を識別して排撃する機能である。しかし、免疫系の活性亢進は自己をも滅ぼすことがある。そこで、ある段階で「寛容」が働き、病原体と共存するようになる。多田氏は人間社会にもこの「寛容」が必要と説いた。脳梗塞で倒れ、左手でキーボードを打った最後の言葉が「長い闇の先に希望が見える。寛容の世界が広がっている」という予言であった。20世紀は戦争と革命の世紀、東西両陣営が己が正義を主張し、争いが絶えなかった。21世紀こそ共生の世紀と期待していたのに、前世紀の残滓を引きずって、原理主義が相克し、平和と安寧の生活はなかなかやってこない。所詮世の中はこんなものと諦めかけていたが、多田氏は死の床でも希望を持っておられた。生き様に感動した。
 番組の最後のほうで出てきた作家石牟礼道子氏が語った水俣の言葉「もだえ神さん」も印象に残った。水俣病で苦しんでいる人の側で何もしないでただボーッとしている人を非難するのではなく、「人の悲しみを自分の悲しみとして悶える人間」と捉えるのだという。現代人が忘れかけているものがここにはある。性善説を信じたくなる。(2010/7/15)

★昆虫展

 地質学会西日本支部のシンポジウムが北九州市立博物館であった。始まる前に時間があったので、館長さんが企画展「昆虫の世界」を案内してくださった。個人のコレクションが遺族から寄贈されたものという。その量に圧倒された。夏休みになったのか、子供たちでごった返していたが、やはり、ヘラクレス大カブトムシが人気だった。(2010/7/18)

★小倉祇園祭

 今日は小倉祇園祭の最終日、懇親会終了後、ホテルに向かう車の中から、町内ごとに集まって、太鼓をたたいているグループを目撃した。昼には全町内会が集う行事もあった由。(2010/7/18)

★曽根干潟巡検

 地質学会主催の巡検だったが、単なる地質巡検ではなく、ジオパーク・シンポジウムを意識してか、カブトガニの産卵を見たり、古墳を見たり、古式漁法を見たり、といったジオだけでなく、エコや歴史とのコラボで行われた。昼食には、獲れたての魚を刺身にしたり、流木で焚き火をし焼き魚を作ったり、となかなか凝っていた。カヌーの経験も出来た。先日来の大雨で海が濁っていたのと、風が強かったので、産卵はちらりとしか見えなかったし、古式漁法も中止だったが、大いに満足した。最後に、エコグループの人たちが、日中韓の子供たちを集めて環境教育をする際に使う人形や帽子などを見せていただいた。やはり、ジオの人たちとは意気込みが違うし、層の厚さを実感した。(2010/7/19)

★黒雲

 今日は与次郎でMBC夏祭りである。与次郎の方向はまだ明るいが桜島から黒雲が湧き出してきた。当然噴煙であろう。食べ物の屋台はきっと大変なことだろうと心配になった。(2010/7/21)

★鶴丸城堀

 用事があって街まで出かけた。鶴丸城のお堀にハスの花が咲いているのを見かけたので、城山のほうに左折し、ちょっと停車してパチリ。(2010/7/23)

★大賀ハス

 ハスの話をしたら、都市農業センターには大賀ハスがあるという。朝飯前に出かけることにした。早朝、咲くときにポンと音がするそうだから、一度聞きたいと思っていたからである。ネットで、大賀ハスのことを調べたみたら、NHKが録音しようと試みたが、音はしなかったとのこと。正岡子規あたりが書いて広まったらしい。今までこのウソを信じていたわけだ。子規も罪深い。(2010/7/24)

★夏祭り

 今日は団地の夏祭りである。久しぶりに夕食は外食にして、出かけてみた。子供向けプログラムは終了して、大人の部までの休憩時間、まだ明るいので灯篭には灯が入っていない。町内会の屋台が出ていた。金魚すくいのところで、「あの大きいのが欲しかったぁ」と大泣きしている女の子がいて可愛らしかった。花火はわが家のベランダから見たが、例年になくすぐ終わってしまった。やはり不景気なのだろう。(2010/7/24)

★茶摘み機

 孫を迎えに鹿児島空港まで出かけたが、早く着きすぎたので、チェコ村に立ち寄った。ここ十三塚原は溝辺茶の産地、近くの茶畑では機械で茶摘みをしていた。今ではもう「赤ねだすきに菅の笠」といった手で茶摘みをすることはなくなったのだろうか。(2010/7/27)

★泥遊び

 孫たちはわが家に来たら、早速外へ出て泥遊び、水路を造るのだという。高層マンションではこんな遊びは出来ない。子供はゲーム機などより、本来は自然の中での遊びが本質的に好きなのである。まだ縄文人のDNAが残っているのだから、当然である。(2010/7/27)

★セミ

 折角孫たちが来たのに雨続きである。今日は少し雨が上がった。蝉が花壇のところから飛んでいった。まだ生まれたてのようだ。早速、孫たちは抜け殻を探しに出かけた。狭いわが家の庭でもこんなにたくさんあった。脱皮の瞬間を見たかったら早起きするようにと言ったが、どうもその気はなさそうだ。(2010/7/29)

★バラ風呂

 孫娘が道の駅でバラの花を買ってきた。小さいがきれいな花が30個近く入って150円という。安い。いつもは風呂嫌いでシャワーだけで済ますのに、風呂に浮かべてお姫様気分、悦に入っていた。(2010/7/30)

★磯遊び

 孫たちと開聞山麓の望比公園まで磯遊びに出かけた。カニがたくさんいるところだから、カニ釣りをしようと言うことになった。そこは昔取った杵柄、ザリガニ釣りの要領で、割り箸に糸をつけ、イカをエサとした。スルメと違って生イカは柔らかいからハサミで切り取られてしまう。穴から引きずり出すところまでは成功するのだが、最後のところで、身の危険を感じて引っ込んでしまう。その駆け引きに孫たちは大喜びだった。何匹か捕獲に成功したが、海の生物を飼うのは難しいからと納得させ、海に帰した。(2010/7/31)

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更新日:2010年7月31日