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鹿児島のご隠居(2009.11)


★桜の紅葉

 今日は久しぶりの雨、からからに乾いた藺牟田池には慈雨であろうなどと思いながら窓の外を見たら、中学校の桜が紅葉していた。昨日も夏日だったが、季節は確実に移ろっている。(2009/11/1)

★菊人形

 国登録文化財の写真撮影は県本土内については全部終わったが、仙巌園内濾過池だけが残っている。磯庭園はお客があった時に何度も連れて行ったが、濾過池などは見過ごして、場所が定かでない。しかし、入場料を取られるから、写真撮影のためにだけ行くのもしゃくだ。ちょうど、ニュースで菊人形展が始まったと言っていたので、菊を見に出かけた。幸いここも敬老パスが有効だった。島津斉彬生誕200年とかで斉彬の人形が入口にあった。中国人観光客がたくさんいた。(2009/11/2)

★常磐トンネル

 わが団地から鹿児島中央駅に直接抜ける常磐トンネルが出来たので便利になったが、実は今まで歩いて通ったことがない。今日はおはら祭、歩いて見に行こうと出かけた。車では駐車するところがないからである。駅まで50分弱かかった。残念ながら、来客の予定があったので、おはら祭は見ずにバスで急ぎ帰った。おはら祭は来年までお預け。(2009/11/3)

★ツワブキ

 朝庭に出てみたら、ツワブキがきれいに咲いていた。花の少ない冬に彩りを添える貴重な花だ。東北では普通の蕗を食べるが、鹿児島に来て初めてツワブキなるものを知った。蕗のとうはどうなっているのだろう。わが家の庭なのに観察不足。反省。(2009/11/4)

★塘之池公園

 紅葉を見に出かけようと思ったが、霧島はつい先日小学生が遭難して亡くなったところだから、何となく行楽で行くのは気がとがめる。そこで、南の方に行くことにして川辺までやってきた。道の駅で食事をしたら、塘之池という桜の名所があるとパンフレットに書いてあった。南でも桜ぐらいは紅葉しているだろうと思ったら、先日の木枯らしのためか、丸坊主だった。池のほうは藺牟田池同様、渇水でかなりの部分が湿地になっている。きれいに手入れされているが、幼児とおばあさんが遊んでいるだけ、バッタの天国になっていた。(2009/11/4)

★清水岩屋公園

 そこで当初の目的通り、岩屋公園に来てみたら、もみじや楓が紅葉し始めていた。銀杏の黄葉が見事だった。ここも大変静かである。来週あたり磨崖仏まつりがある由。(2009/11/4)

★

 今日もポカポカ陽気、関吉疎水溝を見に出かけた。何の標識もなく藪の中を探した。疎水の上流棈木(あべき)川は狭い川なのに、鴨が泳いでいた。もう渡ってきたのだろうか。冬を感じた。(2009/11/5)

★団地の中の田の神

 田の神は田の畦に立って豊作をもたらすもの、それが団地の中にあるとは面妖な。自転車に乗って遊んでいる子供たちに聞いたら、小さな児童公園に連れて行ってくれた。蕨野部落記念碑の右隣に建っていた。左隣は1920年(大正9年)の星峰隧道記念碑である。ここもかつてはのどかな田園だったのだろう。豊作をもたらす神様から子供たちを見守る神様への転職である。これもまた良きかな。(2009/11/8)

★あわてん坊のヒヨドリ

 庭のモチノキに赤い実がなると冬である。必ずヒヨドリが食べに来る。まだ色づき始めたばかりだというのに、やってきた。ちょっと突いて、すぐお隣の屋根に飛び移った。やはりまだ不味かったのだろう。気の早いヒヨドリだ。(2009/11/9)

★ヤッコソウ

 天気予報は雨だったのに晴れた。昨年見損ねた天然記念物のヤッコソウを見に出かけた。昨年は3度も足を運んだのだが、結局ダメ、生えなかったらしい。そこで今年は事前に湯田稲荷神社の宮司さんに電話をかけて聞いてから出かけることにした。たくさん生えていますとのこと。ミカンのように表年と裏年があるのだろうか。4度目の正直、やっとお目にかかれた。なかなかかわいい姿をしている。ロープが張られているので接写が出来なかったのは残念。(2009/11/11)

★孫からの小包

 先日、北海道にいる孫から、鮭の遡上見学に行き、掴み取りに参加して、それぞれ1匹ずつもらってきたと報告があった。娘がそれでトバ(鮭冬葉)を作ったとか。トバとは鮭の寒晒しである。風呂場で血だらけになりながら2匹の鮭と格闘した由。娘もいつの間にか立派な主婦になったものだ。上天気が続いて困ったと言っていたが、北海道はさすがに寒く、もう出来上がったらしい。今日は、副知事さんに火山博物館を作って欲しいといった話をして帰ってきたら、その小包が届いていた。写真は孫の手製パッケージである。(2009/11/12)

★季節外れの降灰

 最近、桜島昭和火口の活動が活発である。20年ほど前よりは量的には少ないが、市内にも降灰がある。平年だと今頃は西よりの風が吹いて大隅半島のほうに降灰があるはずなのに、今朝起きてみたら車庫の車はご覧の通り灰だらけ。洗車する気にもならない。怠ける口実にしているきらいはあるが。(2009/11/13)

★サザンカ

 わが家の生垣はサザンカだが、一番遅く咲く東側のピンクの花が咲き始めた。もう冬である。(2009/11/14)

★鹿大祭

 今日は大学祭、講演会を聴きに出かけた。相変わらず模擬店ばかり。もっとも最近はアルコール全面禁止になった由。えらく堅苦しくなったものだ。昔は、多少学生が騒いでも世間は大目に見てくれたし、学生もそれほど非常識なことはしなかった。現在は何か事故が起きると、責任問題になり、裁判だ賠償だということになるから、結局、安全側に考えて規制を強化する。まさに小役人根性である。(2009/11/14)

★昆虫少年

 鹿大博物館主催の講演会で昆虫写真家栗林慧さんのお話を聞いた。古稀だという。講演後の質問で、今まで半世紀も仕事を続けてきた原動力について聞かれ、「私は今でも工作の好きな昆虫少年ですから」との返事だった。これ以上の名答はないように思った。(2009/11/14)

★入来の田の神

 谷山まで桜島大正噴火に関わる資料を拝借に出かけた。帰途、東谷山にある入来の田の神を撮影しようと探したら、団地の中に移動していた。田の神は後ろから見ると男根に似ていて、豊饒を願う象徴だと言われてきたが、これは誠にリアルである。しかも、教育委員会の解説板が正面のほうになく、背面に向かって建っている。はて、教育委員会の粋な配慮か、作業員の間違いか。(2009/11/16)

★桜島噴煙

 鴨池港近くの事務所で鹿児島県地質図編纂会議があった。少し早く出かけて、海岸を散歩した。ちょうど桜島が爆発、噴煙が南の方に流れた。きれいな風景に見とれたが、垂水方面の方は降灰で大変だろう。(2009/11/18)

★鹿児島環境学

 鹿児島大学鹿児島環境学研究会編『鹿児島環境学①』を頂戴して読んだ。冒頭「鹿児島環境学宣言」が高らかに謳われている。なかなかの名文である。われわれが環境問題というときに忘れがちな内なる環境問題「自然に対する感性の喪失」を指摘している点と、「自然の一部としてのヒトと自然を操作する主体としての人間、この人間存在の二重性と矛盾」という指摘に同感した。また、一般論ではなく、「この鹿児島の地であしもとを見つめ直し、具体的な提案を目指す」とした点も頼もしく思った。かつて、理学部改組で地球環境科学科が出来たとき、看板を塗り替えただけで、依然としてタコツボの在来路線を取る人が多かった。その後、若い人たちの中で融合したテーマでの共同研究が始まりかけ、頼もしく思っていたが、5年後、鹿児島に帰ってみたら、それが文理融合した鹿児島環境学に発展していることを知り、大変うれしく思った。21世紀はインテグレートの時代である。 (2009/11/21)

★シジュウカラ

 今日は朝から日差しがなく寒い。庭のモミジも紅葉する前に落葉しそうな形勢である。シジュウカラが数羽集団でやってきて賑やかに枝移りをしている。午後は雨、江口浜荘まで温泉に浸かりに出かけた。(2009/11/22)

★紅葉と冬桜

 今日は雲一つない快晴、霧島まで紅葉狩りに出かけた。妙見温泉・みやまコンセール・霧島神宮とどこも見事だったが、みやまコンセールでは冬桜にお目にかかった。暖かな山川のフラワーパークならともかく、高地の霧島で見かけるとは珍しい。六観音御池まで池めぐりもしたが、やはり連休、人出が多かった。(2009/11/23)

★ほぜ祭

 霧島神宮に寄ったら、ちょうど「ほぜ祭」というお祭りをやっていた。豊年祭という意味らしい。境内では弓道の奉納が行われ、ひょっとこ踊りや子供相撲もやっていて、大変賑やかだった。駐車場に駐車した際、すぐ近くでいきなり花火を打ち上げられ、ビックリした。(2009/11/23)

★幼友達の死

 私は台湾で育った。出砿坑国民学校は複式学級、1年生は7人である。引き揚げてきてからは散り散りバラバラ、中学時代に西山町(当時の二田村)に越してきて、要治ちゃんと再会した。そこは幼なじみ、お互いの家に泊まりに行ったり、メジロを捕まえたり、ウサギを飼ったりと、よく一緒に遊んだ。今日帰宅したら、彼の奥さんから年賀欠礼のはがきが届いていた。同級生の死は初めてである。ショック。(2009/11/23)

★恩人の死

 同級生の死のショックもさめやらぬその日の夜、23日に相馬の猪狩先生が亡くなられたと息子さんから電話があった。享年86歳。私の博論フィールドは相馬である。「貧乏学者の卵から宿賃など取る気はねぇ。いつでも好きな時さ来(こ)」と、ご自宅に無料で泊めてくださった。小学校の教頭先生だった。豪放磊落、「ビールを飲むっぺ。はよ風呂さ入ってこ」とビールを飲みながら、いろいろなお話を伺った。以後、今まで親戚同様のおつきあいをしていただいた。もちろん、貧乏院生には無料宿泊はありがたかったが、それ以上に、人間性の面で教わるところの大きかった先生である。まさに恩人である。通夜祭に飾られた遺影を見つめながら、さまざまな思い出が去来した。ご冥福をお祈りする。(2009/11/25)

★相馬中村城址

 葬儀は正午である。朝、昔初めてお会いした頃、猪狩先生に案内していただいた思い出の地、相馬中村城址や相馬神社を散策した。まだ紅葉していた。ここは亡父と来たこともある。焼き物の好きだった父は、相馬焼を買い求めた。(2009/11/26)

★土木地質達人の知恵

 土木地質の達人編集委員会編(2009)『土木地質達人の知恵』を頂戴した。福島往復の飛行機と新幹線の中で読んだ。達人たちが現場で経験したことのコツが詰まっているが、何よりも地質調査に対する情熱とそれを若者たちに伝えたいとの強い思い入れが感じられ感銘を受けた。一方で、「達人の秘伝」と「思い込み」は紙一重、と自戒を忘れないところなどさすがである。(2009/11/27)

★島原ジオパーク

 島原半島ジオパークの世界ジオパーク認定記念講演会に出かけた。2年前に「ジオパークとは」という講演をして焚きつけに来たときのことを思うと、よくぞ短期間に実現したものだと、やはり感無量である。なお、東京でジオパークづくりをしている間の資金は持ち出しだったから、それを認めてくれた妻の内助の功に報いるために、妻も連れて行った。私は講演会に出て、妻は一人で城下町を観光した。仕事のついでに連れて行ったのは、動機が不純で、本当の奥さん孝行ではないと冷やかされてしまった。(2009/11/29)

★雲仙地獄

 そこで、翌日はレンタカーを借りて、雲仙災害記念館や大野木場小学校、ネイチャーセンターなどを回った後、雲仙温泉に行って温泉に入った。ホテルで島原・雲仙・小浜の共通入浴券をもらったからである。特定の旅館同士の連携らしいが、3温泉街全体として企画したらもっと良かったと思う。入浴後、雲仙地獄も見た。霧島えびの高原の硫黄山が最近全く噴気を出していないことを思い出し、気の毒に思った。(2009/11/30)

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更新日:2009年11月30日