フンちゃん東奔西走(2009)


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★昭和火口

 志布志までドライブに行くとき、桜島を通ったので、昭和火口を見に黒神のほうに回ってみた。ちょうどその時、爆発した。2006年の活動再開以来、かなり活発に活動している。とくに、この日は帰途、降灰にも遭遇した。(2/1)

★権現洞穴

 天然記念物めぐりで、南九州市川辺町の権現洞穴に行ってきた。天然橋で懲りたので、最初に民家を訪ねて聞いたところ、すぐ教えてくれた。単なる洞穴ではなく権現様が祀ってあるからか、正月に清掃したらしく、きれいになっていた。しかし、解説板を見て愕然、明らかに溶結凝灰岩なのに、鹿児島県唯一の溶岩洞穴とある。(1/20)

★北九州市立いのちのたび博物館

 講演を頼まれて福岡まで出かけた。翌日、北九州市立いのちのたび博物館に卒業生を訪ねた。一日中つき合ってくださり、展示室だけでなく、研究施設や貯蔵施設などを懇切丁寧に説明していただいた。ここは市立博物館では屈指の内容を誇っている。なかなか見応えがあった。恐竜のレプリカがデンと座っているのはいたしかたがないが、旧山田弾薬庫で発見された世界最古のニシン料魚類化石ディプロミスタス(写真右)が目を引いた。この博物館が出来るきっかけとなったという。(1/17)

★川辺天然橋

 鹿大博物館フィールフォミュージアムのお手伝いで、天然記念物の写真を撮りに出かけた。今日は川辺の天然橋である。凝灰角礫岩からなる。入口に標柱はあったものの、それからが大変、森林伐採のためか、ブルが作った作業道がたくさんあり、どれが本当の道かわからないのである。道路も荒れ果てていた。迷ったあげくやっと見つけた。一汗をかいた。史跡名勝のほうはまだ整備されているが、地質鉱物関係の天然記念物は指定されっぱなしで、あまり活用されていない。残念である。(1/8)

★川内砂丘

 川内砂丘の調査に行ってきた。吹上砂丘は海岸線に平行なのに、ここは雁行状配列をしているので不思議に思ったからである。川内川右岸側を唐浜砂丘、左岸側を寄田砂丘という。写真左は三宝山帯メランジュの上を覆う唐沢砂丘、右は寄田の轟川河口である。植生が北西-南東方向に並んでいる。やはり、砂丘も卓越風の方向に配列したのだろうか。それなら、直ぐ近くの吹上砂丘がそうならないのは? どうもよくわからない。(2/17)

★スレッド・レース・スコリア

 九州火山ネットワークのジオパーク勉強会に講演に来た若い友人を案内して鹿児島県立博物館を訪れた。桜島火山の特別展をやっていたからである。ついでにずいぶん久しぶりで常設展も見た。直径2mもある巨大なスレッド・レース・スコリア(thread-lace scoria別名reticulite)が展示されていた。スコリアというのに白っぽくて多孔質で、いかにも軽そうだ。桜島の大正噴火(1914年)で噴出したものという。(2/27)

★住吉池

 2003年活火山の定義が変更され、住吉池も活火山とされた。ずいぶん前に来たことがあったが、その頃は林の隙間から見える程度だった。今度は展望台も整備され、全貌が見渡せるようになっていた。しかし、活火山の説明など一切無い。天然記念物だと、一応の解説板くらいはあるのだが…。(3/2)

★西之谷ダム

 散歩で西之谷まで下りたら、ちょうどそこが西之谷ダムの工事現場だった。シラス地帯に造る洪水調節ダムとして有名になったところだ。しかし、サイトには城山層の粗粒砂岩が露出していた。黒い古土壌の上には亀割坂角礫層?と入戸火砕流が載っている。(4/6)

★鰻池

 フラワーパークかごしまの帰りに鰻池に寄った。今でも噴気活動が活発な活火山である。山川などと一連のマールらしい。(4/11)

★佐渡赤玉石

 東京出張の合間に六義園にツツジを見に行った。佐渡の赤玉石(鉄石英)が幾つもあった。本来、六義園は柳沢吉保が築庭したもの。しかし、明治期には岩崎弥太郎の持ち物になった時期がある。岩崎は無類の石好き、清澄庭園が好例である。清澄にも佐渡の赤玉石がある。ボランティア解説員に聞いてみた。案の定、ここの赤玉も岩崎が明治になってから据えたものだという。(4/19)

★上天草ケスタ

 上天草島の千巌山公園からの眺望である。ここは古第三系白岳砂岩が向斜構造をなしているところ、見事なケスタ地形を見ることができる。(5/7)

★白岳砂岩

 やはり上天草島の竜ヶ岳山頂自然公園に行ったら、白岳砂岩がご神体になっている祠があった。アルコーズ質の粗粒砂岩である。(5/7)

★甑島恐竜化石

 甑島で恐竜化石が発見され、7月26日から川内まごころ文学館でお披露目の展示会が開かれた。左が肋骨で、右が歯である。(7/26)

★菊花石

 鹿児島市役所本館の玄関に菊花石の大きな衝立が飾ってある。姉妹都市長沙市からのプレゼントである。二畳紀系らしい。菊花が立体的に浮き上がっており、基質には竜の彫り物がある。日本では根尾谷のものが有名だが、こんなに大きなものは見たことがない。(8/27)

★加久藤カルデラ

 えびの高原ボランティアレンジャーの会が主催する地学研修会に参加した。矢岳高原展望台から加久藤カルデラが一望に見える。絶景である。展望台にはモノクロのパノラマ写真があったが、消えかけていた。ここに地学的な解説があると良いのだが。(9/13)

★下甑島

 中甑から遊覧船に乗って下甑島方面の地層を見学した。本来は西海岸の鹿島断崖を見学するつもりだったが、台風の余波で波が荒く、東海岸を回った。写真は白亜系姫浦層群とそれに貫入する岩脈である。(9/19)

★猿供養寺地すべり

 県庁土木部にいた新大卒業生から是非見てくれと前々から言われていたので、糸魚川に行く前に1泊して、有名な妙高市猿供養寺地すべり地にある地すべり資料館を見学してきた。当時、地すべりと褶曲の関係などについて講義したことがあったが、そもままの内容がパネルになっており、気恥ずかしい思いをした。土木屋ではなく地質屋が企画したものらしく、岩石園も併設されている。また、隣には人柱供養堂もあった。自ら人柱となった旅僧の遺骸も展示されている。(10/21)

★枕状溶岩

 姫川支流根知川にはフォッサマグナパークが設けられており、糸魚川静岡構造線が観察できるが、そのすぐ近くに中新世の枕状溶岩の見事な露頭もある。(10/22)

★明星山石灰岩

 小滝ヒスイ峡のすぐ側には二畳紀石灰岩の岸壁がそそり立っている。車で行けるから、こんなにアプローチの良い岩場はないとして、ロッククライマーが良く訪れるところである。(10/22)

★砺波平野

 庄川が作った扇状地である。北アルプスから吹き下ろす南風・庄川嵐に対処するため、どこの家にも屋敷林が南側に付いている。(10/23)

★青海自然史博物館

 青海はヒスイと石灰岩で有名なところである。現在は糸魚川市立になったが、かつての青海町が作った博物館で、なかなか見応えがある。町立で、よくこんな立派なものが作れたものだ。(10/24)

★桜島噴煙


 コープ姶良の駐車場から見た桜島の噴煙である。昭和火口の活動らしい。ちょうど夕陽に照らされて見事だったが、降灰の様子も分かる。直下ではさぞ大変なことだろう。(10/23)

★平成新山ネイチャーセンター

 島原半島ジオパークの世界ジオパーク認定記念講演会に出かけた。翌日、レンタカーを借りて回ったが、環境省のネイチャーセンターに立ち寄った。他の国立公園ビジターセンターが動植物の解説ばかりなのに、ここには偏光顕微鏡が整備され、シアターでは火山形成史がテーマの映像が流されていた。地学的利用が中心のビジターセンターは珍しい。(11/30)

★雲仙普賢岳

 昨日は曇りがちで山頂部は見えなかったが、フェリーで帰るとき、全貌がくっきりと見えた。右手は「島原大変肥後迷惑」で有名な眉山である。(12/1)

★会議・講義・講演・その他

1月 九州アジア地下空間フォーラム(福岡)…講演
2月 (NPO)地質情報整備・活用機構理事会(東京)
2月 日本ジオパーク連絡協議会臨時総会(東京)
2月 日本ジオパーク式典(東京)
3月 地質地盤情報協議会(東京)
4月 霧島ジオパーク推進連絡協議会(霧島)…講演
4月 (NPO)地質情報整備・活用機構理事会(東京)
4月 東京地学協会地学クラブ(東京)
4月 日本の地質百選選定委員会(東京)
5月 鹿児島県地質調査業協会30周年記念総会(鹿児島)
5月 日本ジオパークネットワーク設立総会(東京)
5月 地球惑星科学連合ジオパークセッション(幕張)
5月 環霧島会議総会(高原)…パネラー
5月 内閣府中央防災会議桜島大正噴火まとめ打ち合わせ(鹿児島)
6月 地質地盤情報協議会(東京)
6月 鹿児島県地学会例会(鹿児島)
6月 (NPO)地質情報整備・活用機構総会(東京)
6月 日本情報地質学会総会(那覇)
7月 鹿大博物館第16回市民講座(鹿児島)
7月 川内まごころ文学館最新恐竜学講演会(川内)
8月 霧島ジオパークガイド養成講座打ち合わせ(えびの)
9月 鹿児島県地質図編纂打ち合わせ(鹿児島)
10月 鹿大博物館第14回研究交流会(鹿児島)
10月 内閣府中央防災会議桜島大正噴火第1回分科会(鹿児島)
10月 火山砂防フォーラム(鹿児島)
11月 鹿児島県地学会例会(鹿児島)…講演
11月 島原半島世界ジオパーク認定記念講演会(島原)
12月 内閣府中央防災会議桜島大正噴火第2回分科会(鹿児島)
12月 九州応用地質学会合同役員会(福岡)
12月 霧島火山砂防広報検討委員会(小林)
12月 地質地盤情報協議会運営委員会(東京)

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更新日:2009年12月1日