本の紹介:北中康文ほか著『列島自然めぐり 日本の地形・地質―見てみたい大地の風景116―』

岩松 暉(全地連かわら版, 2012.4.10号)


 わが国は山紫水明の地である。それは単調な地質からなる安定陸塊と違って日本列島はジオ多様性に富むからだ。全地連の方は野外に出ることが多く、思わず景色に見とれたことがあるに違いない。本書は自然専門の写真家が撮った日本列島の自然写真図鑑である。さすがプロとうならせる見事な写真が満載されており、余白に産総研の地質家が平易な地質解説を付けている。各ページの見出しには、地域・地質分類・岩石・地質時代・天然記念物等のアイコンが付けられており、大変見やすい。地図付きアクセス情報も便利だ。もちろん巻末には地史や用語解説もある。時は春、新書版だからポケットに入れて野外に出ようではないか。

文一総合出版 新書版 288頁 本体価2,200円 2012年3月刊


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更新日:2012年4月10日