岩松さまのこま犬/海の都の物語/地質の日/轟の瀬/片岩中の化石/三島村

鹿児島のご隠居(2015.05)


★岩松さまのこま犬

 新潟県長岡市役所からハザードマップが送られてきた。繁窪地区と新山地区のバージョンに「岩松さまのこま犬」の民話が掲載されている。これは私が祖母から聞かされた話だ。地すべりの前兆現象に気づいたら、即、避難との教訓が込められている、とのことで採録されたのだろう。市勢要覧も同封されており、懐かしかった。(2015/5/6)

★海の都の物語

 3月、塩野七生さんの『ローマ人の物語』を読んで面白かったので、この連休に『海の都の物語』全2巻を読んだ。ベネチアの興亡1千年の物語である。ベネチアはキリスト教の都市国家だが、一貫して法王庁とは距離を置き、現実主義に徹底していたらしい。その時々の国際国内情勢に見事に対応してきたから、1千年もったという。しかし、地中海貿易の時代から、大航海時代を経て強国がグローバルにせめぎ合う時代には勝てず、ナポレオンに滅ぼされた。古代ローマ時代の寛容の精神を受け継いだのか、一神教の原理主義にとらわれず、理想主義にも走らず、事を処してきたやり方は現代にも示唆を与えているのではないだろうか。(2015/5/7)

★地質の日

 今日は地質の日である。鹿児島県地学会で記念巡検として史跡の石材を勉強する巡検があった。写真の中央公民館は国指定の有形文化財である。昭和2年(1927)に建てられたものだが、加治木石(鍋倉火砕流堆積物)で出来ている。大谷石に似ているので、採用されたらしい。大谷石より黄色っぽいが、硬そうだ。新しい建築物は外国産石材が使われているが、古いものはやはり火山国鹿児島、溶結凝灰岩がダントツに多い。(2015/5/10)

★轟の瀬

 雨も上がったのでさつま町に出かけ、轟の瀬でバイキングを食べた。食後、甌穴群などを見物していたら、与謝野鉄幹夫妻の歌碑を見つけた。夫妻は霧島だけでなく、こんなところまで足を延ばしたのだ。当時は交通不便だったろうに。(2015/5/24)

★片岩中の化石

 福岡で応用地質学会の総会があった。友人から驚くべき化石を見せられた。結晶片岩にアンモナイトと蛾らしきものがはっきりと残っている。結晶片岩中に化石が残ることは極めて珍しい。しかも産出地点が背振山という。背振山は花崗岩の山である。化石などあるはずがない。恐らく上流に結晶片岩が載った小区域(ルーフペンダント)があるのだろう。あるいは、日本版ベリンガー(ベリンジャー)事件か。ベリンガー事件とは、18世紀に起きた化石贋作事件。まだ教会の権威が高く、化石が生物の遺骸とは考えられていなかった頃の話である。(2015/5/29)

★三島村

 県地学会があり、三島村ジオパーク構想の講演を聴いたので、帰途、県立博物館に立ち寄り、三島村の自然に関する企画展を見学した。どういうわけか、近いのに硫黄島には行ったことがない。一度行ってみたいものだ。写真は鬼界カルデラの模型。(2015/5/30)

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更新日:2015年5月30日