天ヶ瀬温泉/千波湖/徳川博物館/偕楽園/地質情報展/豪灰/長才まつり/えびの高原/台風一過/桜島振興/幕末外交/彼岸花/ムラ社会/四季

鹿児島のご隠居(2011.09)


★天ヶ瀬温泉

 2日に九州応用地質学会の講習会があった。新幹線が全通したからその日のうちに帰れるが、2次会・3次会とつき合うのが恒例になっているから宿泊。翌日、講師で福岡に来た友人たちと大分のダムや地すべりの巡検をすることになった。台風12号が来ていたが、幸い小雨、無事済んだ。天ヶ瀬温泉に行けばホテルにレストランがあるだろうと思ったら、昔風の旅館ばかり、結局、座敷で会席料理を食べ、露天風呂に入浴した。この頃から雨がひどくなり、雨に打たれての露天風呂、これもまた一興。(2011/9/3)

★千波湖

 地質学会で水戸に来た。前泊だったので早めに来て、茨城大学生が作った地質観光案内を手に千波湖周辺を散歩。向こうに水戸の台地が見える。都会の湖らしく青粉がひどい。悪戯で矢を射られて有名になった黒鳥もいた。(2011/9/8)

★徳川美術館

 徳川美術館に行く。モダンな建物だが、水戸徳川家の品々が収められている。新築だから、地震の被害はなかったらしい。(2011/9/8)

★偕楽園

 偕楽園の好文亭は台地の上にあるのに、地震被害を受けたらしく閉館していた。同じく水戸城近くの台地上にある藩校弘道館も被害で閉館。1964年の新潟地震では砂丘上にあった実家は何事もなかった。今回の地震がいかにひどかったかがわかる。(2011/9/8)

★地質情報展

 地質学会では産総研による恒例の地質情報展も開催されていた。ジオパークのコーナーも盛況だった。シンポジウムのほうも盛会で、私が知らない人たちが半分くらいになった。発展してきた証拠、うれしい限りである。(2011/9/12)

★豪灰

 久しぶりに帰宅したら、桜島の灰がひどい。窓も開けられず、散歩も出来ない。学会では長時間座って講演を聴いていたので腰が痛くなった。腰痛治しに散歩でもしようと思ったのに…。(2011/9/13)

★長才(おせ)まつり

 市主催の長才(おせ)まつりグラウンドゴルフ大会が健康の森公園であった。長才とは二才(にせ)の若者に対して、老人を指す薩摩弁である。さすが市内全域から集まっただけあって、実力はピンキリ。わが団地族は当然、参加賞。(2011/9/15)

★えびの高原

 今日は台風15号が近づいている上に桜島のドカ灰である。灰雨は真っ平なので、霧島に出かけた。麓の牧園付近はアスファルトも乾き、薄日さえさしていたが、山は名前の通り霧島、足下が悪いので池めぐりは止めて、ツツジ園の舗装された遊歩道を歩く。日頃は単なる窪地なのに水が湧き出し、池になっていた。地下水面が極めて浅かったのだ。国民宿舎に温泉に入りに行ったら、経営が宮崎交通に変わっていた。新燃岳噴火以来、観光客が激減したから、持ちこたえられなかったのだろう。気の毒。温泉もガランとして独り占めだった。帰宅したら、町内会から敬老祝のお茶とお菓子が届いていた。(2011/9/19)

★台風一過

 台風一過、やっと雨が上がった。家の前の中学校から運動会の賑やかな音が聞こえてくる。平日なのにハテナ? 総練習なのか、それとも休日にやれなかったので順延したのか。幸い鹿児島はたいした被害はなかったが、近畿・東海は大変らしい。首都圏でも交通が大混乱のようだ。(2011/9/21)

★桜島の地域振興

 鹿児島のシンボルはなんと言っても桜島である。降灰のせいもあるが、観光面でもあまりパッとしない。そこで、有志が集まって呑み会をした。行政には明確なグランドデザインが必要だろうし、島民には東西のわだかまりを乗り越えて一致団結、地域住民が主体となって地域振興をするという志と実行力が求められていると思う。(2011/9/22)

★幕末外交

 BS歴史館を見た。幕末外交史である。ペリーやハリスは知っているのに、日本側の全権大使の名前を知らなかったのに気づかされた。和親条約は林大学頭で、修好条約が岩瀬忠震(ただなり)である。砲艦外交に屈した弱腰外交と思っていたが、日本側は堂々としたたかに渡り合い、キチンとソフトランディングして日本の植民地化を防いだという。幕府の功績である。相手以上に海外情勢にも通じていたらしい。明治維新をやったのは薩長だから、われわれは薩長のバイアスのかかった歴史を教えられてきたのだ。歴史は常に時の権力者に都合の良いように書き換えられる。(2011/9/23)

★彼岸花

 今日はわが家の前にある中学校の運動会である。うるさくてかなわないから逃げ出すことにした。いつもなら霧島だが、この一両日急に寒くなったので、出水に行くことにした。北薩広域公園を散歩したり、山で栗拾いをしたりしながら出水平野へ。黄金の穂波と真っ赤な彼岸花が美しい。野田でひなびた温泉に浸かって帰宅。昨日、津波浸水地図下巻の校正も終了したので、良い骨休みとなった。(2011/9/25)

★ムラの論理とインテリジェンス

 最近面白い論文を読んだ。萩原誠(2011)「“ムラ社会の論理”がもたらす日本の危機」(経営倫理,No.63)である。原子力ムラを痛烈に批判し、“ムラの論理”は「都合の悪いことは見ない、無かったことにする、外に漏らさない、既得権は総力を挙げて守る」であると指摘している。なぜこうなったのか。もう一つ面白い本を読んだ。北岡元(2008)『仕事に役立つインテリジェンス』(PHP新書)である。膨大なインフォメーションから導き出した判断・行動に役立つ知識をインテリジェンスというらしい。このインテリジェンスを導き出すにはサイエンスとアート、アルゴリズムalgorithmとヒューリスティックスheuristicsがあるという。このヒューリスティックスがくせ者である。バイアスがかかりやすい。業界であれ政党であれ、組織の中にいると、その利害にとらわれて、無意識のヒューリスティックスが発動されるのだ。“ムラの論理”が正確な情報判断や行動をゆがめてしまう。ところで、卒業を「社会へ巣立つ」と表現することがある。大学人の大部分は社会へ一歩も出たことがない。永田町や霞ヶ関以上の典型的なムラ社会である。「大学の常識は世間の非常識」と言われる所以もここに由来する。自戒したい。(2011/9/26)

★四季

 つい先日まで真夏日だったのに急に寒くなった。一方で奄美は大雨に見舞われている。先年の大災害も10月だった。地球温暖化で日本も四季が無くなり、乾季と雨季になったのだろうか。鹿児島では「人が死なないと梅雨が明けない」と言われ、毎年梅雨末期の集中豪雨を心配していたものだが、この頃は前線は北上、北部九州~中国地方~紀伊半島に停滞して、災害をもたらしている。そういえば、鹿児島市内でもマングースが出没している由、亜熱帯になり、ハブが棲み着くようになるのだろうか。地球温暖化が現実になったように感じる今日この頃である。(2011/9/27)

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更新日:2011年9月27日