河川改修紀念碑/東霧島神社/冬桜/拓本手習い/弥五郎ラーメン/理想と夢想/黄砂/旧福岡県公会堂貴賓館/太宰府天満宮/光明禅寺/九州国立博物館/自然公園ふれあい全国大会/Google Maps API V3/よりみちクルーズ/月読神社/北薩広域公園/曽木の滝/藺牟田池/糸魚川-浜名湖線/ヘンな夢/大いなるマンネリ/グラウンドゴルフ/ツル/洞窟温泉/100年の記憶

鹿児島のご隠居(2010.11)


★河川改修紀念碑

 桜島大正噴火に伴う土石流で荒れた串良川の改修記念碑が高隈地方にもあるというので、写真撮影に出かけた。もと高隈高校があった校庭の下に、何と2個も並んで建っている。折角修築したのに、再三の土石流で決壊して、再度造り直したらしい。7~8年も土石流や水害が連続発生したそうだから、さぞや苦労されたことだろう。しんみりしてしまった。(2010/11/1)

★東霧島神社

 桜島安永噴火の記念碑「しまうつりの碑」を撮影に都城まで出かけた。少し足を延ばしてつま霧島神社に参詣。霧島七社の一つである。自然石を積み重ねた石段だった。鬼が一晩で積み上げたと伝えられている。雨の日は滑りやすいだろうが初めて見た。珍しい。(2010/11/4)

★冬桜

 帰途、一堂ヶ丘公園に立ち寄ったら、思いがけず冬桜が咲いていた。ここからの霧島山の展望はすばらしい。来るときは無料になった東九州自動車道を使ったが、同じ道を帰るのも能がないので、霧島神宮を回った。ホテルの温泉に入る。平日の昼間だから、誰もいない。露天風呂にじっと浸かっていたら小鳥がやってきてさえずっていた。極楽極楽。(2010/11/4)

★拓本手習い

 桜島大正噴火100周年に備えて記念碑の拓本を採る企画を考えた。郷土誌などの採録に誤りが多く異説もあるので、拓本なら間違いないからである。県立博物館の人と姶良市文化財課にお邪魔して、その道の権威に拓本取りの手ほどきを受けた。70の手習いである。拓本道という言葉があるほど奥深いという。実感した。(2010/11/5)

★弥五郎ラーメン

 東九州自動車道が大隅弥五郎まで通じたという。桜島大正噴火の記念碑を撮影に曽於市まで出かけた。元中学校校長先生と一緒である。先生は歴史地理学の権威、教わることが多い。途中、隼人町にある安永噴火時の移住者集落に立ち寄ったので、お昼が大隅弥五郎になった。岩川のラーメン屋さんに入り、お店の自慢メニューは何かと聞いたら、弥五郎の里らしく、弥五郎ラーメンという。写真の通り、なるほど弥五郎どんに似ている。コラーゲンたっぷりのスープで美味しかった。店の方の話では、町役場が支庁になり、県の合同庁舎も撤退するらしい。商売に多大な影響があると心配されていた。本当に広域合併は考え物だ。(2010/11/11)

★理想と夢想

 新幹線の中で車内誌「Please」を読んだ。九州ものしり学シリーズで宮崎滔天(1871-1922)なる人物を知った。孫文の盟友だったらしい。彼の言に「理想は実現すべきものなり、実行すべからざるものは夢想なり」という名句があるとう。なるほど。(2010/11/12)

★黄砂

 学会で福岡に来たら、黄砂が来ていた。黄砂は春に来るものなのに、11月に襲来とは。今年の気象は、猛暑・竜巻・ゲリラ豪雨と異常続きである。
 ところで学会発表のほうは、発表者のほとんどが若手で、質問も若手から活発に出ていた。頼もしい。若者の参加のない組織は確実に滅びる。その点、この学会には希望がある。しかし、自らの足で作った地質図や自らの眼で観察した事実などがあまりなく、コンピュータや観測機器を駆使したものが多かったように思う。論理もやや粗雑なものがあった。学会の将来も、今日の天気のように黄砂で薄ぼんやりと明るいといったところか。(2010/11/12)

★旧福岡県公会堂貴賓館

 懇親会で中洲に出かけた。少々時間が早かったので、天神中央公園の旧公会堂貴賓館を見た。ここは福岡西方地震で被害にあったところだ。きれいに修復されていた。(2010/11/12)

★太宰府天満宮

 翌日はただ帰るのはもったいない。太宰府の九博に行くことにした。先ずは天満宮に参詣。ちょうど七五三の日でごった返している。神官が引き出物のような袋をたくさん持って忙しそうに走り回っていた。袴姿や着物姿の子供たちは可愛らしい。わが子の七五三の頃を思い出した。子供たちの幸せを祈願した。(2010/11/13)

★光明禅寺

 すぐ近くにモミジで有名な禅寺があるというので立ち寄った。竜安寺の石庭風のところと苔寺風のところがミックスされていて美しい。モミジもあまり真っ赤ではなく緑も混じって、ちょうど見頃だった。(2010/11/13)

★九州国立博物館

 九博は会館5周年という。亡くなった高橋良平先生が準備室長をしておられたはずである。高橋先生には可愛がっていただいた。そんなことを思い出しながら、変わった形の建物を見た。中では記念特別展として「誕生!中国文明」というのをやっていた。紀元前17世紀頃という玉の装飾品もあった。その頃のわが国のことを考えると、彼らの中華思想もむべなるかな、という気がしてきた。(2010/11/13)

★自然公園ふれあい全国大会

 自然公園ふれあい全国大会が鹿児島である。知り合いも来ることだし、霧島ジオパークのこともあるので、ワークショップとシンポジウムの両方に参加した。屋久島が世界遺産になって以来、オーバーユースで荒れてきたとの報告には、世界遺産認定のお手伝いをした者の一人として心が痛んだ。霧島ジオパークはテントブースを出していた。参加者に配布された「国立公園」という雑誌に前田霧島市長がジオパークのことを書いていたが、勘所を押さえたなかなか良い文章だった。(2010/11/14)

★Google Maps API V3

 産総研のシームレス地質図が改良されて格段に早くなった。マウス位置の地質解説も表示可能である。使用許可はもらったが、使い方はあまり懇切には教えてもらえなかった。私がその程度のことはできるものと買いかぶられたらしい。実は今まで見よう見まねで使ってきただけで、ちゃんと勉強したわけではない。偶然だが、ちょうどGoogle Maps API(Application Programing Interface)のV2が廃止されV3になったという。仕方がない、良い機会だから本を買ってきて、系統的に勉強することにした。まだV3が正式になって間もないので、一種類しか本がなかった。分厚くて高い。ヤレヤレ。(2010/11/15)

★よりみちクルーズ

 桜島フェリーは鹿児島港と桜島の袴腰港を往復する。それを神瀬かんぜ灯台をぐるりと回る「よりみちクルーズ」が行われた。通常料金で連れて行ってくれる。ここは薩英戦争の時に台場があったとか。白く見えるところは砂州がついたのだろうか。(2010/11/17)

★月読神社

 いつもは車で来るから行ったことがなかったが、折角、徒歩で来たのだから、袴腰港のすぐ近くにある月読神社に参拝した。この神社は桜島横山にあった桜島の人たちの産土の神である。大正噴火で熔岩に埋まり、ここへ越してきた。種子島の移住者集落中割にも分社があった。(2010/11/17)

★北薩広域公園

 今日は天気快晴で暖かである。曽木の滝まで紅葉狩りに行くことにした。西九州自動車道が無料になったので、薩摩川内経由で川内川を遡った。途中、北薩広域公園で中休み。以前は竹林公園しかできていなかったが、池や東屋・遊具公園なども完成していた。途中の遊歩道でアスファルトでないところが所々にある。どうも溶結凝灰岩の露頭を削ってそのまま使っているようだ。(2010/11/18)

★曽木の滝

 テレビで放映されたためか、平日だというのに駐車場は満杯である。今度の土日がもみじ祭という。確かに見頃であった。この頃、平日・休日関係なくなったのは、団塊の世代がリタイアしたためだろう。
 ところで、曽木の滝を写真に撮ると橋が写って目障りだった。そのためか、あるいは狭くて老朽化したためか、下流側に吊り橋を建設中であった。古い橋は撤去されるという。(2010/11/18)

★藺牟田池

 帰途、温泉に入るために藺牟田池に立ち寄った。ここは曽木よりも少し暖かいのか、紅葉はもう少し後のようだ。藺牟田池は先日来の渇水がウソのようにすっかり水位を回復して白鳥が泳いでいた。目出度し目出度し。例によって「いこいの村いむた池」で温泉に浸かった。人も少なく、露天風呂は最高。(2010/11/18)

★糸魚川-浜名湖線

 ラジオ深夜便を寝床の中で聞いていた。国立国語研究所の方の話だった。日本言語地図というものがあり、例えば塩を「しょっぱい」というのは東で、西は「辛い」と言う。その境界線が糸魚川-浜名湖線あたりにあるとのこと。「いる」と「おる」、「しあさって」と「やのあさって」など、たくさんある。南北アルプスの険しい山々が相互交流を妨げていたのだろう。糸魚川-静岡構造線が有名だが、方言にもジオが深く関わっている。そういえば、東では○○沢というが、西では○○谷という。(2010/11/22)

★ヘンな夢

 昨日はハートピアに筋トレに行っていい汗を流したので、熟睡できたはずなのに、朝方ヘンな夢を見た。登場人物がいずれも故人で九大名誉教授である。山崎達雄先生(元生産研所長)から掛け時計を頂戴して、それを持って高橋良平先生(元学長)のご自宅に泊めていただきに行ったという話である。私は九大卒ではないが、お二人にはずいぶん可愛がっていただき、お二人の跡を継いで学会の九州支部長まで仰せつかった。朝が明けたら、私と同い年の坂幸恭早大名誉教授の奥様から、ご主人が亡くなったとの年賀欠礼の葉書が届いた。この夢は、お迎えに来るのが時間の問題になってきたとの虫の知らせかも知れない。(2010/11/26)

★大いなるマンネリ

 夜中に暑くて目が覚めた。ラジオをつけたら、佐藤宗幸氏の「大いなるマンネリ」というトークをやっていた。東京に出て、時のファッションに流されながら人気歌手になって行く道より、あくまでも故郷仙台にこだわって活動をしておられる誇りが感じられた。一番有名な「青葉城恋歌」の歌い出し、「季節(とき)はめぐり」も初版は「時はめぐり」だったとか、阿久悠氏から「時は過ぎ去るもので、めぐるものではない」とのアドバイスをもらって変更し、歌に深みが出て爆発的にヒットしたらしい。一語の重みである。(2010/11/27)

★グラウンドゴルフ

 いろいろな仕事も一段落したことだし、地域の老人クラブに入れていただくことにした。地域デビューである。「どんぐり会」という。毎週土曜日午前、近所の公園でグラウンドゴルフを楽しむのが恒例行事である。今朝は始める前に、先ず公園の清掃をした。市から補助金が出るので、これを運営資金にしているとのこと。さて、ゴルフだが、なかなか思うようにはいかない。ホールインワンを決めたご婦人も出た。罰金として貯金箱に50円入れるのだそうな。これも活動資金になっている由。(2010/11/27)

★ツル

 西九州自動車道が無料になったので、北上することにした。朝食抜きで出発、阿久根漁港の市場食堂で朝食バイキングを食べ、出水のツル越冬地へ。今日現在9,000羽という。いつもは観察所近くにいるのに、今日は遠いところにいる。元職員のボランティアの説明によると、飛来当初は人間を警戒して、遠くで落ち穂を食べているが、それがなくなると、だんだん撒き餌のほうに近寄ってくるのだとのこと。ツルも定食ではなくバイキングを食べているらしい。(2010/11/28)

★洞窟温泉

 さらに北上、水俣の道の駅に寄った。バラ園が見事だったが、薩摩街道出水筋ウォーキングの行事とぶつかったので敬遠、国道をそれて湯の児温泉へ。道の駅で仕入れた情報に基づき、洞窟温泉とやらがあるホテルに行く。車を着けたフロントは5階に当たり、不知火海の景色がすばらしい。温泉は1階とのこと。確かに凝灰角礫岩の中にトンネルが掘ってある。海の見える浴室に行くにはそれを通らなければならない。ところが、女湯のトンネルと途中でわざと交差させてある。幸か不幸か、お客が少なくて、女性客とは出くわさなかった。(2010/11/28)

★100年の記憶

 桜島大正噴火の記念碑が東市来にあるとの情報をもらったので、一緒に記念碑を調べている元校長のH先生を誘って調査に出かけた。碑文からは建立の由来がわからない。ちょうど真ん前に大きなお屋敷がある。鹿児島には珍しい柿の大木があった。きっと名家だろうから、何かご存知かも知れないと思って、お訪ねした。柿の木は、建て直す前の家を建てたのが90年前で、その時からあったそうだから、樹齢100年程度だろうという。この木は大正噴火を経験したに違いない。しかし、記念碑については何もご存知なかった。災害の記憶は100年持たないのだろうか。(2010/11/29)

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更新日:2010年11月29日