お供え/釣りバカ日誌/菜の花/孫の賀状/ヒヨドリ/ツワ/もののあはれ/温泉三昧/レインボー桜島/桜島なぎさ遊歩道/大雪/雪かき/行人岳/神造島/早水公園/藺牟田池/コマ/点の記/吹上温泉/サッカーボール/休校/水仙

鹿児島のご隠居(2010.01)


★お供え

 いつもの正月にはこんな仰々しい床飾りはしない。実はお隣さんからいただいたのである。床の間に飾ってみると、何となく今年は良いことがありそうな気がするから不思議だ。子供の頃は社宅全体で餅つきをし、のし棒で平たくのすのは大人の仕事、丸めるのは子供たちの仕事だった。お供え餅は特に大きいから、誰もが作りたがった。鏡開きには黴びて固くなったのを切るのは男の子の仕事、力がいって大変だったが、今は真空パックである。(2010/1/1)
<後日談> 鏡開きの日、さてこんな大きな餅を切るのは大変、どの包丁を使おうかなどと考えながら、パックを開いたら、何と小さな丸餅が一つ一つパックされてたくさん入っているではないか。よく考えられていると感心した。しかし、合理的といえば合理的だが…。

★釣りバカ日誌

 私は元来アウトドア派である。あまり映画を見ることはない。見るとしたら、深刻なものより寅さんのようなたわいのない明るいものが好きだ。山田洋次監督の「釣りバカ日誌20ファイナル」が上映されている。聞くところによると、このシリーズの最後らしい。妻を誘って見に出かけた。いつものパターンなのだが、山田洋次監督の映画はほのぼのとして、後味がよい。終わってから、久しぶりにホテルのレストランで食事を楽しんだ。(2010/1/2)

★菜の花

 妻が枕崎の花屋さんを気に入っている。ここの苗は質が良いのだという。指宿道の駅で買い物をした後、いつもの山川フラワーパークはカットして、近道の池田湖を通った。菜の花が咲いており、菜の花マラソンの準備ができあがっていた。メールで函館の娘に写真を送った。向こうは吹雪だろうか。(2010/1/3)

★孫の賀状

 娘夫婦から賀状が届いた。表面の宛名のところに孫の字で「夏やすみ行くからね。」とあった。ついこの間生まれたと思っていたのに、もう漢字が書けるようになった。月日の経つのは早い。その間、こちらはどの程度進歩したのだろうか。いや、退歩したというほうが正しい。夏が今から楽しみである。(2010/1/4)

★ヒヨドリ

 昨年のクリスマスの頃には庭のモチの木に赤い実がたくさん付いていた(右写真)。ところが年が明けて、この2・3日でヒヨドリにほとんど食べ尽くされた。彼らも実の熟するのを今か今かと待っていたのだろう。(2010/1/5)

★ツワブキ

 今日は曇天で寒い。こたつに入り、ノートパソコンに向かって頼まれ原稿を2つ仕上げていた。ふと目を庭に転じたら、ツワブキにタンポポのような綿毛のついた種子があるのに気づいた。調べてみたら両方ともキク科である。なるほど。こうしたちょっとした庭の変化に気づくのもリタイアのお陰である。(2010/1/7)

★もののあはれ

 谷山に櫻島爆発紀念碑の写真を撮りに行った後、宇宿小学校の裏山にもあるとのことだったので、探してみた。いくつか石塔はあったが、法名なにがしと書かれており、お墓である。廃仏毀釈時にもさすがにお墓は荒らさなかったのに、ここは藪の中にうち捨てられている。生前はどんな人だったのだろう。ものの哀れを感じた。(2010/1/8)
 結局、小さな記念碑が脇田公園の入口、ツツジの中にあった。これで本土にある桜島爆発記念碑全部の撮影を終了した。(2010/1/9)

★温泉三昧

 連休だというのに天気が悪い。桜島爆発記念碑の撮影も終了したことだし、温泉三昧ということにして、今日は江口浜荘に行ってきた。入浴料200円なり。安い。国道のバイパスが出来て車が通らなくなったためか、いつも空いている。浴槽も狭いが、熱いお湯でなかなか良い。(2010/1/10)

★レインボー桜島

 温泉三昧第2日は国民宿舎レインボー桜島に泊まった。移転10周年特別割引だったのである。あいにくの天気だったが、鹿児島市内が見えるし、フェリーの行き来も見え、なかなか眺望がよい。温泉からも夜景が見えて最高だった。(2010/1/11)

★桜島溶岩なぎさ遊歩道

 レインボー桜島周辺には足湯や遊歩道が出来ており、遊歩百選とあった。何でも百選ばやりである。地質百選をやった者としてちょっと面はゆい。(1/11)

★大雪

 今朝起きてみたら大雪である。5cmも積もっていた。大粒の淡雪である。新潟なら差し詰め「春の淡雪」であろうか。鹿児島の人はスノータイヤなど誰も持っていないから、車は1台も通らず誠に静か。(2010/1/13)

★雪かき

 いつもなら雪は1日で溶けるのに、昨夜も降ったらしい。写真は庭の垂れ梅である。何年ぶりかで長靴を引っ張り出してきて玄関の雪かきをした。新潟時代と違ってシャベルなどないから、竹箒である。しかし、10時頃には太陽が出てきたから、主要道路は今日中に溶けてしまうだろう。などと書いているうちに、屋根の雪が溶けてドスンと落ちる大きな音がしきりと聞こえる。(2010/1/1)

★行人岳

 雪もすっかり溶けて暖かい。阿久根漁協直営の市場食堂があると聞いたので出かけた。ひらめ祭をやっていたので、ひらめ鮨定食を食べた。さすがに市場直営だけあって美味い。その後、長島まで行き、行人岳から天草方面を展望して、太陽の里温泉センター東泉望へ。伊唐島方面の海を眺めながらの入浴、極楽、極楽。(2010/1/16)

★神造島

 今日は小春日和である。家に閉じこもっていてはもったいない。午後から思い立って隼人町の史跡撮影に出かけた。途中、清水のところで神造島がよく見えた。古事記に国産みの伝説がある。天沼矛で混沌をかき回したら、その雫から「おのころ島」が生まれたという。ここは姶良カルデラであり、カルデラはポルトガル語で大鍋のことだ。かき回すというとやはり鍋をかき回すイメージである。高千穂峰から姶良カルデラをかき回し、その雫がこの神造島だというのはいかがだろうか。なお、一般にはおのころ島(泡島)は淡路島と言われている。(2010/1/18)

★早水公園

 天気予報では今日も晴天、昨日から都城に行くことに決めていた。島津発祥の地を見たいと思っていたからである。祝吉御所が島津荘のあったところという。その近くの早水公園では梅がほころびかけていた。春間近である。万葉植物園もあったが、春になったら来ることにして、今日はパス。(2010/1/19)

★藺牟田池

 今日の夕方から雨になるという。そこで、藺牟田池まで温泉に入りに出かけた。昨年の異常渇水で干上がった湿地がどうなったか見たかったこともある。数日前の大雪で少しは水位を回復していたが、やはり、浮島は湖底に着地し、大部分は乾いた状態だった。無惨。入浴前に遊歩道を散歩、スミレを見つけた。ここの温泉は掛け流しだし、浴槽もきれいで景色も良い。空いているのも良い。(2010/1/20)

★ハイテク・ベイゴマ

 孫の男の子から電話があった。近頃ハイテクのベイゴマが流行っているらしい。何でもパーツを組み立てて強いコマを作り、勝負する代物のようだ。発売になるとすぐ売り切れるので、鹿児島で買って欲しいという。鹿児島でも流行ってはいるが、それほどでもないらしい。今日入荷するというので、孫に弱いバーバは朝イチで買いに出かけた。首尾良く入手出来た。それだけ送るわけにもいかないから、娘婿はじめ、それぞれに何やらプレゼントを買ってきて小包を作るのだろう。これも楽しみの一つか。(2010/1/22)

★点の記

 ハイビジョンで「剱岳測量物語~明治40年“点の記”~」を見た。私も学生時代には昔の5万分の1地形図を用いて調査した。明治時代、三角点を設置し、地形はスケッチで描いたと聞かされ、その正確さに驚嘆したものだ。もちろん、現在の空中写真測量で作ったものに比べたら、格段に違いはある。この番組は明治時代と同じやり方で剣岳の測量を再現しようとしたものである。現代の山岳ガイドさんが山を登るには「野性の勘と理性の判断が必要」と言っていたのに感じ入った。現代の科学者にも必要な資質ではないだろうか。(2010/1/23)

★吹上温泉

 今日は快晴、吹上浜まで温泉に入りに出かけた。途中横道にそれ、西郷さんも良く来たという吹上温泉に初めて立ち寄ってみた。日本秘湯を守る会という提灯をつけた由緒ありげな旅館があった。入浴料500円、公的な温泉施設より少し高いが、斎藤茂吉も来たというので、入ってみた。きれいな池に面していて、鴨が泳いでいるのが浴槽からよく見える。少し硫黄臭がして、湯口には硫黄が析出していた。蛇口から出るお湯も温泉である。新しい温泉のようにバブルや低周波あるいはサウナなどのような施設は何もない。しかし、そんなものがなくても、なかなか良い。すっかり気に入ってしまった。
 もちろん、吹上浜にも行った。夏の海水浴時とは違った趣がある。若くして亡くなった姉の好きだった桜貝を拾い、仏前に供えた。大きな赤い夕陽を見て帰った。(2010/1/24)

★サッカーボール

 今日も快晴である。しかし、新型インフル予防注射の予約日、やむを得ずマスクをして病院へ。午後は県立博物館にでかけた。ここにある山下兼秀画伯の桜島大正噴火の絵を美術専門写真家に撮影していただいたのである。帰ってから近くを散歩。公園では蹴り上げたサッカーボールが木の枝に引っかかって子供たちが困っていた。私は昔は木登り名人、今でも登れるとは思うが、年寄りの冷や水、落ちてケガでもしてはシャレにもならない。子供たちは懸命に石ころを投げていた。見事取れただろうか。気になりつつも帰宅した。(2010/1/26)

★休校

 種子島に桜島大正噴火に伴う移住者の調査に出かけた。記念碑が4箇所あり、桜島の月読神社を分祀したり、桜園神社という新たに心のよりどころを作ったりして、団結して開墾に励んだ様子がよくわかった。しかし、移住を契機に創立された小学校が2001年休校という名の実質的廃校になっていた。でも地域住民の手で良く整備されており、再会を期待していることが感じられ、胸を打たれた。校舎内はいつもの休日という姿そのままが残されていて、幽霊屋敷状態より、かえって切ない気持ちになる。
 今回の調査では突然だったにもかかわらず、桜島出身者や古老の方を次から次へと紹介していただき、絶大なご協力をいただいた。桜島をルーツとしている方々が今も強く連帯しておられることがよく分かった。(2010/1/27)

★水仙

 団地を散歩していたら、金網の外、崖っぷちに水仙を見つけた。水仙は球根、地下茎で伸びていくわけではない。誰かが金網を越して植えたのだろうか。それとも野生か。金網にレンズを差し込んで写真を撮ろうとして気づいた。皆、道路に背を向けて崖のほうを向いている。ひまわりのように向日性なのだろうか。(2010/1/30)

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更新日:2010年1月30日