サルスベリ/おしろい花/土器づくり/夾竹桃/健康の森公園/えびの高原/ドカ灰/藺牟田池/チャドクガ/勾玉/ハマゴウ//孫台風去る/宿題/職人技/高校生物/炭窯/世界ジオパーク実現/土器/トンボ/揺り椅子/菊花石//顔訓/総選挙/政権交代

鹿児島のご隠居(2009.08)


★サルスベリ

 午前中孫たちは庭に穴を掘って水を張り、どろんこ遊びに興じていた。こういうイタズラをしているときだけは兄妹喧嘩をせず仲良くしている。午後は考古歴史館の土笛づくりに参加するという。静かになったのでふと2階のベランダから庭を見たらサルスベリが咲いているのに気がついた。昨年、背の高さ程度の棒杭のようになるまですっぱりと切ったのに、ちゃんと芽を出して花を咲かせた。生命力は偉大である。(2009/8/1)

★おしろい花

 娘から電話があり、孫は土笛づくりにはまって、明日も土器づくりに参加するという。まだエネルギーが衰えないので、動物園の野外開園に行って来るとのこと。孫のいない家の中はシーンとしている。そこで久しぶりに散歩に出かけた。崖っぷちの金網のところにおしろい花が咲いていた。この花を見ると亡き姉を思い出す。台湾にいた頃、この実でおしろいを作って遊んでいたからである。そういえば石けんの実というのもあった。あれは何だったのだろう。
 ネットには何でも載っている。石けんの実はムクロジという植物の実で、東南アジアでは今でも洗剤として使っているらしい。日本では羽子板の羽の錘として使われているとあった。ビックリ。(2009/8/1)

★縄文土器づくり

 今日は孫たちのお供で考古歴史館の体験学習で縄文土器づくりに参加した。考古学は地味だと思っていたが、結構参加者があった。皆、夢中になっていたが、親のほうが熱中しているように見えた。孫も楽しかったようだ。(2009/8/2)

★夾竹桃

 孫たちは市立科学館に出かけた。昨年はあまり興味を示さなかったのに、今年は学年が上がったためか、夢中だとのことで、夕方になっても帰ってこない。そこで、団地内の散歩をした。中央公園に夾竹桃が咲いていた。夾竹桃は1968年鹿児島市の花に選定され、どの公園にも植えられていた。しかし、毒があるので、子供たちがままごとなどで食べると大変だと話題になり、その後、ほとんどのところで切られてしまった。苦いから食べても吐き出すだろうに、神経質になったものだと、当時思ったことを思い出す。珍しくここでは植えられたままだ。(2009/8/3)

★健康の森公園

 孫がマラソン大会に出場するので練習したいという。健康の森公園まで出かけた。幼稚園の頃のよたよたした走り方に比べると格段に進歩している。幼い頃の1年とわれわれの1年では大違いである。ここからの桜島の眺望もすばらしい。(2009/8/4)

★えびの高原

 えびのエコミュージアムで霧島ジオパークガイド養成講座意見交換会があり、霧島まで出かけた。エコミュージアムでは、「活火山霧島―風景の変化―」という企画展をやっていた。ジオパークを意識して企画してくださったらしい。ありがたいことだ。(2009/8/5)

★ドカ灰

 今日午前、桜島が爆発、市内にドカ灰をもたらした。わが家の2階のベランダに積もったものを見るとかなり粗い。もっとも細粒分は風で飛ばされたのだろうが。猛暑だからあちこちの窓を開けていたので、大掃除が大変だった。(2009/8/6)

★藺牟田池

 孫が白鳥の湖に行きたいという。最初、ちょっとビックリしたが、すぐ藺牟田池のことだと分かった。昨年、池の周りを自転車で周回したのが楽しかったらしい。偶然お祭りの日で、夕方になったら、夜店が出店し始めた。午後6時というのにこの明るさ、とても夜店とは言えない。花火ももっと遅くなってからということなので、見ないで帰宅した。帰宅と言えば、午後5時頃、湖岸で観光客から餌をもらっていた白鳥が整然と一列になってねぐらに帰って行った。誰か号令をかけるリーダーでもいるのだろうか。(2009/8/7)

★チャドクガ

 昨夜、シャワーを浴びた頃から太ももが痒くなった。赤い発疹がたくさん出来ている。皮膚科に行ったら、チャドクガにやられたのでしょう、お茶や椿などCamellia属の木のところに行きましたか、と聞かれた。昨日、孫が遊んでいる間、木のベンチで昼寝をしたが、その時、ズボンの中を蟻が這っているように感じたので、パチンとズボンの上から叩いた記憶がある。これが蟻ではなくチャドクガの毛虫だったのかも知れない。痒いこと甚だしい。それで今日は孫たちとのつき合いは止めたが、孫たちは八重山高原のイベントに出かけて、大喜びで帰ってきた。竹の水鉄砲づくりなどいろいろ工作をしたらしい。何時の時代も子どもはものづくりが好きだし、自然が好きだ。理科離れは虚像である。現在の教育制度が、つまり大人が理科剥がしをしているのだ。(2009/8/8)

★勾玉づくり

 孫は考古歴史館の教室にすっかりはまったらしい。今日は勾玉づくりに挑戦するという。材料はもちろん、ヒスイではなく滑石である。砥石とサンドペーパーでかたどっていく。勾玉のペンダントを作りたいと大人も参加して、今までで一番混み合っていたように思う。(2009/8/9)

★ハマゴウ

 今日は曇り空、吹上浜に海水浴に行くことにした。晴天ではあまりに暑すぎて熱中症になるし、紫外線も心配だからである。上の孫は穴掘りに夢中、大きな池を作っていたし、下の孫は、友達への土産に菓子パンウニを全員分採るのだと張り切っている。結局、大人に採らせて、自分は波と戯れていたが…。砂丘にはちょうどハマゴウの花が咲いていた。夕立がざーっと来てあわてて帰ってきた。(2009/8/14)

★

 この夏はカラッとした暑い日がなく、晴れたり曇ったり、何となく湿っぽい夏だった。そのためか、桔梗の植木鉢に茸が生えてきた。秋と勘違いしたのだろうか。(2009/8/16)

★孫台風去る

 孫たちが今日、帰郷した。北海道の夏休みは短いからである。空港まで送っていったが、帰途の夫婦の会話。うちの車もこんなに広かったのかねえ、いつもクラシックがBGMでかかっていたのに今までは気づかなかった、云々。何しろドライブの時には狭い車内に閉じ込められるのだから、兄弟喧嘩はする、歌を歌う、それはそれは賑やかだった。ちょっと拍子抜け。(2009/8/16)

★宿題

 夕方孫から「夏休みの宿題全部終わったよ」と電話があった。明日から2学期が始まるとかで、安心したらしい。昨年まではゆとり教育、今度は知識重視教育、それで今年は経過措置として、追いつくための詰め込みをやっているとのこと。朝令暮改のしわ寄せが結局子供たちに来ている。(2009/8/18)

★職人技

 お盆前に車を電柱でこすった。曲がるべき路地を通り過ぎようとして、慌てて大曲りしたため、角に立っていた電柱に接触したのである。へこまなかったが、擦り傷がついた。いつもの私だったら、「あーあ、通り過ぎてしまった」と、次の道を曲がっただろうが、孫がマゴマゴしていて、時間に遅れそうだったからである。やはり時間にはゆとりを持つべきだ。
 孫も帰ったので、知り合いの板金屋さんに頼んだら、見事に元通り。職人技というか、名人芸である。しかもディーラーの見積よりはるかに安い。ディーラーはパーツを取り替えるだけですからという。この世界でも職人の後継者が育っていないらしい。資源小国日本で、ものづくりの伝統が途絶えたら、何でメシを食っていくのだろう。(2009/8/19)

★高校生物

 わが団地はシラス台地の上にある。したがって、地質の露頭は1箇所もない。散歩をしているときに目に付くのは植物ばかり。ガーデニングブームで、それぞれのお宅できれいな花を植えているが、園芸品種だから、とても覚えきれない。せめて野生の植物名でも知りたいと思って、写真を撮り図鑑を調べるが、わからない。植物分類の基礎を知らないからである。そこで時間はたっぷりあるご隠居、高校生物から勉強し直すことにして、講談社BLUEBACKS『新しい高校生物の教科書』を読み始めた。生物を勉強するのは教養学部以来である。しかし、なかなか頭に入らない。(2009/8/21)

★炭窯跡と江戸時代の自然環境

 寺山自然遊歩道を歩いた。島津斉彬が作らせたという炭窯跡が市の指定史跡となっている。反射炉やガラス製造に大量の燃料(白炭)が必要だったからである。昔、何かの本で、江戸時代末の写真をもとに植生被覆率を見積もってみると、現在よりはげ山が多かったと読んだ記憶がある。その頃、石炭はまだ一般的でなかったから、エネルギーとしては、小規模な水車を除けば、樹木に全面的に依存していたからである。黄河文明やメソポタミア文明も人口圧により森林を伐採しすぎて滅んだという。江戸末期の人口は4,000万人くらいとか。江戸時代は循環型だったとよく言われるが、末期はもう限界に近かったのだろう。(2009/8/23)

★世界ジオパーク実現

 寺山からの帰途、カーラジオのニュースで、洞爺湖有珠山・糸魚川・島原半島の3つが世界ジオパーク認定されたと知った。日本から申請したのが全部通ったことになる。ジオパークについて最初に動き出したのが2004年だから、ちょうど5年目である。言い出しっぺとしては感無量である。最初の行動はホームページの作成、ユネスコやヨーロッパジオパークネットワークEGNなどの資料をネットで探して、和訳したものだった。次がお役所への働きかけ、環境省の次官に面会したのが2004年のお盆休みだった。そもそもジオとはといった話から始まった。今では日本ジオパークネットワークJGNが自立して活動している。今昔の感がある。(2009/8/23)

★土器

 孫たちが作った土器が焼き上がった頃なので、考古歴史館に受け取りに行ってきた。椀・土鈴・土笛である。結構味がある。しかし、もろそうで、北海道まで送ることが出来るか、ちょっと疑問。(2009/8/)

★トンボ

 川内の小比良池にオニバスの写真を撮りに出かけた。オニヤンマが止まっていた。ちょうどその横を真っ赤な赤とんぼが通り過ぎた。その後、大きな蛇が池を横切って泳いでいった。すっかり見とれていて、写真を撮るのを忘れてしまった。孫に送ってやったら喜んだろうに。残念。(2009/8/25)

★揺り椅子

 壊れたロッキングチェアの修理が出来上がってきた。私が亡父にプレゼントした代物である。子どもを連れて帰省していた娘が捨てないで欲しいという。おじいちゃんに抱かれて揺すられながら絵本を読んでもらった記憶が鮮明らしい。家具屋さんに持って行ったら、一度修理されていますねとのこと。孫が壊して、今回、曽孫が壊したことになる。さて、私の曽孫が壊す日が来るのだろうか。それを見るためには90歳まで生きなければならないが。(2009/8/26)

★菊花石

 用事があって市役所に行った。本館の玄関に姉妹都市の中国長沙市から寄贈された菊花石の衝立が飾ってあった。横2m縦1mもあろうか。日本では岐阜県根尾谷の菊花石が有名である。昔々東大にいた頃卒論指導で出かけたことがある。地元建設会社の社長さんが収集家で、是非見せたいと自宅に招待された。周りの基質が風化で削られて菊花の部分が浮き出して立体的に見えるものもあり、感心した記憶がある。しかし、どの岩塊もそれほど大きくなかった。ところが、この長沙市のものは巨大である。おまけに基質の部分には竜の彫り物まである。中国は何にしてもすべてスケールが違う。(2009/8/27)

★

 団地の法面に葛がはびこっている。花を見つけた。隣の黄色い花は何だろう。葛には子供の頃の思い出がある。このツルは結構強い。3・4本束ねれば子供の体重くらい十分に支えられる。ターザンごっこをしたり、ロッククライミングのまね事をして遊んだものだ。(2009/8/28)

★顔訓13ヶ条

 寝るときにラジオのスイッチを入れた。原島東大教授が顔訓13ヶ条という話をしておられた。「楽しい顔をしていると、心も楽しくなるし、人生も楽しくなる」という。同感である。周りの人のためにも楽しい笑顔を、との話もあった。これまた、なるほどと思った。(2009/8/29)

★総選挙

 わが家は学校の前、今日は総選挙である。政権交代が焦点になっているからか、いつもより出足がよいように思う。グラウンドは車でいっぱいである。お年寄りは杖を突いて歩いてくるのに、若夫婦は車で来る。校区内だから近距離なのに、いかがなものか。(2009/8/30)

★政権交代

 先日まで青々としていたのに、フッと気づいたら、公園の桜が黄葉し始めていた。連日猛暑だが確実に秋は近づいている。桜はパッと咲いてやがて散る。政治も然り。戦後長く続いていた自民党政治が終焉した。一時期を除けば64年で終わったことになる。明治政府の体制が1945年の敗戦まで続いたとして77年(明治憲法体制なら57年)、社会主義ソ連が74年、だいたいこのくらいになると制度疲労を起こすのだろう。
 それにしても昨夜の開票速報の早さには驚いた。午後8時、投票終了と同時に民主党圧勝と伝えられた。出口調査という手法が導入されたからであろう。小選挙区制の功罪はあろうが、国民の意思で政権を換えることが出来るとの一つの実験が出来た点が利点の一つなのだろう。民主党は性根を据えて国民のための政治を実行しないと、次回はまた大逆転となり、不安定政治が続くことになる。間違っても族議員などを作って、官僚と癒着してはならない。(2009/8/31)

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更新日:2009年8月31日