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鹿児島のご隠居(2009.07)


★名曲コンサート

 ピヨートル・ドミトリエフの「名曲アルバムコンサート~ピアノ名曲ベスト・セレクション」を聴きに行った。NHKの企画だから、舞台のスクリーンに映像が投影される。映像はきれいだし、作曲者のこともわかる利点はあるが、どうも気が散って音楽に浸れない。演奏者の表情や指先の動きに見とれたり、目をつむってじっと聞き入ったりする従来方式のほうが良いように思った。(2009/7/2)

★ミズヒキ

 昨年、史跡巡りをしていたときに市来貝塚近くの土手でミズヒキを採取し、庭に植えておいた。雑草だけあってしぶとく、ちゃんと根付いた。長岡の祖母の家にもあった。夏休みに泊まりに行った時、贈答に使う水引に似ているでしょうと教わったことを思い出した。(2009/7/3)

★キオビエダシャクの幼虫

 キオビエダシャクの幼虫はどんななのだろうかと妻に聞いたら、イヌマキの木をドンと揺すると糸でぶら下がりますから退治してくださいと言われてしまった。余計な質問をしたために仕事を仰せつかった。なるほど、足でドンと突くと面白いようにぶら下がってくる。これは小さいほうで、もっと大きくなるという。ヤレヤレ。(2009/7/4)

★東雲の里

 梅雨の晴れ間は今日一日という。北薩地方の文化財で撮り残したものがあるから、その撮影を口実に出水の東雲の里にアジサイを見に出かけた。個人で5万坪に160品種、10万本植えたのだという。盛りは先月20日前後だったらしく、入口の辺りは終わり加減だったが、奥の滝のほうは、標高も高く日陰のせいか、真っ盛りで、なかなか見事だった。帰途、旧曽木発電所も見た。いつもは水没しているのに、今年は空梅雨のためか、全体を写真に収めることが出来た。(2009/7/4)

★北辰蔵

 甑島で恐竜化石が発見された。できれば県内の博物館に寄贈して欲しいと、共同研究者のお一人に鹿大博物館をご案内した。都通バス停で降り、裏門から鹿大構内に入ったら、「北辰蔵」という焼酎醸造の研究棟を発見した。正門横にはショップも開店している。法人化後やたらと地域におもねるようになった象徴のよう。私が学術会議会員であった第18期に日本学術会議では「新しい学術の大系」を提言したことがある。Supply-side都合の学術からdemand-sideの学術へといった文言があった。当時の学者に欠如していた学問姿勢について指摘したものだったが、この頃は行き過ぎてあまりに卑近な例が多くなったように思う。これも、いつも世の体制に批判的な天の邪鬼か。(2009/7/7)

★自由研究

 次いで県立博物館にも行った。夏休みを目前にして、そのお手本を示すためか、子供たちの自由研究が展示してあった。これは県議会議長賞をもらった岩石のコレクションである。今の子供にも岩石を集める子がいるのかとうれしく思った。そういえば、私が小学生の頃、札幌にいたが、豊平川の河原で石ころを集めて自由研究にしたことがあった。岩石を投げつけて割ると、ガマ(晶洞)にきれいな結晶が見つかることがあり、夢中で割ったものだ。(2009/7/7)

★調整池

 昨夜来大雨だったが、午後には上がったので散歩に出かけた。普段は雑草の生えている調整池に水が溜まっていた。団地が出来てコンクリートで覆われると、河川のピーク流量が増すので、かなり前から鹿児島では団地造成には調整池設置が義務づけられている。出口には小さな孔がいくつも空けてあり、自然流下する仕組みだ。出口を絞ることにより多少ともタイムラグを作るのが狙いである。昔、水門を設けて目一杯貯めればよいではないか、と言ったことがある。満杯になる時はたいてい洪水時だ。水門を開けたのが被害を大きくしたと必ず訴えられる。人為が絡むと裁判になるから、自然流下がよいとの返事だった。お役人の保身と言えばそれまでだが、確かに予想される事態ではある。アメリカ的訴訟社会は何とかならないものだろうか。(2009/7/10)

★カンボジアの自然

 鹿大博物館の市民講座があり、教え子が講演するというので出かけた。タイトルは「カンボジアの自然」で、トンレサップ湖の変わった成因や生態などの話だった。約7,600年前に誕生したが、約5,500年頃の海進でメコン川とつながり、以来、雨季にはメコン川が逆流するため、乾季と雨季で3倍も湖の面積が変化するという。大変興味深く聞いたが、講演後「もうボク50歳になりました」と挨拶されてビックリしてしまった。(2009/7/11)

★トビハゼ

 梅雨が明けたようで猛烈に暑い。天然記念物のハマボウの花期が終わっては大変、南さつま市に撮影に出かけた。ハマボウは満開だったが、一日花、茶色の萎れたものが混じるのは致し方ない。足下の泥湿地にはシオマネキがたくさん這っている。よく見たら、ムツゴロウのような飛びハゼの仲間もいた。その他、田の神や国登録有形文化財なども撮影できた。(2009/7/12)

★ツバメ

 南さつま地方は片付いたので、薩摩半島で残っているのは、指宿地域の国登録有形文化財だけである。猛暑だが、思い切って宮ヶ浜地区に出かけた。宮ヶ浜駅前のお宅にツバメが巣作りをしていた。(2009/7/14)

★ネジバナ

 妻が幸田の棚田を見たいというので連れて行った。地すべり地の棚田のように大規模ではないが、一応、棚田百選に選ばれただけのことはある。城垣のように武者返しがあると聞いていたが、オーバーハングしているところは見られず、誇大広告かと残念に思った。それよりも減反しているところが痛々しかった。畦でネジバナを見つけた。その後、吉松まで足を延ばし、般若寺の田の神様などを撮影した。田の神も伊佐市くらいまでは宮崎型の由、面白い。
 それまでは晴れていたが、午後、急に雨になり、霧島に行くのは諦めて帰ることにした。ところが姶良町辺りはカンカン照り、ゲリラ的なにわか雨だったのだろうか。(2009/7/15)

★秋の虫

 梅雨明け宣言したのに、このところ天候不順である。湿度が高くて暑いから寝苦しい。夜中に防犯上いかがかと心配ではあったが、網戸にしてみた。結構涼しい風が入り、しかもコオロギか何か知らないが、もう秋の虫が鳴いている。すっかり熟睡してしまった。(2009/7/19)

★ツマグロヒョウモン

 車を運転していたら、ラジオで「夏休み子ども科学電話相談」をやっていた。今年もこの時期になったか。この番組はなかなか楽しい。ツマグロヒョウモンという蝶の相談に、この蝶はスミレ類を食草としている熱帯・亜熱帯の蝶だが、この頃は関東地方でも見られるようになった。温暖化の影響とすぐ考えがちだが、公園でパンジーを植えるようになったのも一因ではないか、との話だった。われわれはすぐ短絡的に物事を考えがちだが、子供たちにこうした教え方をするのは大切だと思った。ところで、昔、現役時代に、植物の先生からヨーロッパでよく栽培されているというニオイスミレの株を頂戴して、鉢植えしたことがあった。このツマグロヒョウモンの幼虫に全滅させられたことがある。(2009/7/21)

★日食館

 明日はいよいよ日食である。でもどうも晴れは期待できそうにない。それで、ドルフィンポートに設けられた日食館を見学してきた。薩摩藩に明時館(天文館)があり薩摩暦を作っていたのは知っていたが、幕府天文方が予想していなかった日食を薩摩の磯永孫四朗が予測した事実があったことを始めて知った。薩摩の天文学の水準は高かったのである。これに気をよくして、島津重豪が天文館を作ったのだという。なお、天文館はやはりドーム型の建物だったらしい。(2009/7/21)

★日食

 今日は曇り時々雨、日食を見ることは期待できない。ところが、10時半頃、中学校で子供たちのキャーキャー言う声が聞こえる。出てみたら、雲の切れ間から部分食が見えるではないか。雲のために、日食グラスがなくても肉眼で見える。雲が本当に切れてしまうと、肉眼では危険だから、木漏れ日を撮ってみた。さて、三日月型に見えるであろうか。日食が進んできたら、薄暗くなり、街灯がひとりでに点灯した。2012年5月21日には金環食が見られるという。これも見てみたいものだ。次の皆既日食は2035年9月2日とのこと、96歳まで生きていれば見ることができる。生きていても痴呆でわからないかも知れないが。(2009/7/22)

★

 団地内を散歩していたら公園の楠に実が生っているのに気づいた。楠は鹿児島の県木であり市木である。年中見ていたのに、実には注意を払ったことがなかった。広葉樹だからどうせドングリだろうぐらいにしか考えていなかったのである。しかし、街路樹の下でドングリなど見たことがないから、誠にうかつな話だ。視れども見えずの典型である。地質屋さん以外の方が露頭を見るときも同じなのだろう。(2009/7/23)

★雨水貯留施設

 曇りのち雨の予報。曇りのうちに散歩しようと、団地の外周を回ることにした。一番新しく出来た部分の公園の地下に雨水貯留施設が設置されていることを知った。一周して1.5万歩だった。途中、消防車5台とガス会社・電力会社の緊急車両がサイレンを鳴らして通り過ぎた。ぼやにしては大げさだから全焼したのだろうか。お気の毒に。(2009/7/24)

★泥火山

 『地学雑誌』の泥火山特集号が送られてきた。子供の頃、石油技術者だった父が、石狩油田から帰ってきたとき、異常高圧のため、ビットを取られて大変だと言っていたことを思い出した。台湾では泥火山から始新世の生々しい有孔虫化石がどろどろ出てきて、火を付けると燃え上がるとも言っていた。泥火山は地下深部の異常高圧層に由来するものだと、石油技術者は半世紀以上前から常識として知っていたのである。(2009/7/24)

★甑島恐竜化石

 甑島で恐竜化石が発見され、今日から川内まごころ文学館でお披露目の展示会が始まった。その記念講演会「最新恐竜学~ここまで分かってきた恐竜のひみつ~」があるというので、聴講に出かけた。国立科博から借り出したアロサウルスも展示されていた。このアロサウルスが日本に来た1964年当時と比べて、恐竜の研究もずいぶん進んだということがよく分かった。(2009/7/26)

★川内原子力発電所展示館

 帰途、原発展示館にも立ち寄った。これが出来たばかりの頃来たのだから、30年ぶりくらいだろうか。やはり昔の展示方式で、やや文章が多い。(2009/7/26)

★団地夏祭り

 本当は昨日が団地の夏祭りだったが、雨のため順延になっていた。今日は小雨決行だったらしいが、夕方、私が川内から帰る頃から猛烈な豪雨になった。気の毒。それでも花火が打ち上げられた。2階のベランダから市営住宅越しに花火を鑑賞した。(2009/7/26)

★孫台風襲来

 昨夜、娘と孫がやってきた。朝の飛行機が欠航だったとかで、昼に着く予定が夜になった。孫たちは空港からの車の中で寝てしまった。待ち時間が7時間だったとかで、くたびれたのだろう。寝た分、今日は元気そのもの、庭掃除の手伝いで、早速、蝉の抜け殻を見つけてきた。上の男の子は小2、将棋や五目並べが出来るようになっていたし、下の幼稚園年中さんの女の子はお針が出来るようになっていた。成長の早さに驚く。(2009/7/28)

★雨の動物園

 今日は曇りの予報、暑いときよりはましと、孫たちと動物園まで出かけた。ところが予報に反して雨。しかし、普段は寝てばかりいる動物たちも雨には生き返ったように元気になる。サイなどは走り回って喜ぶという。日頃はじっとしている大蛇まで動いていた。雨の日の動物園もよいものである。1ヶ月前に生まれたキリンの赤ちゃんの授乳に出くわした。最初は哺乳瓶で与えていたが、もう2.5リットルも呑むようになったので、バケツに哺乳器を付けて飲ませているとのこと。(2009/7/29)

★蟻の巣

 孫がキオビエダシャクの幼虫退治に協力してくれた。その収穫を蟻にやるという。蟻の巣穴の近くに置いたら、早速群がってきた。さすがに大きすぎるのか、食いちぎって細かくして運ぶ。孫が偶然、側の石を取り除いたところ蟻の巣穴が丸見え、卵があった(写真左下)。働き蟻が瞬く間に卵をどこかへ運んでいった。獲物より優先である。生き物にとって子孫を残すことが最大の使命ということだ。害虫退治にせよ、蟻の観察にせよ、孫は蚊に刺されるのも苦にせず夢中である。子どもは生まれながらのファーブルだ。どんなおもちゃよりも自然が一番である。(2009/7/30)

★イルカの散歩

 今日はとても暑い。孫たちと水族館まで出かけた。彼らはやはりイルカの芸当がお目当てである。夏休みのためか、サメに触らせてくれるおさわりコーナーまであった。最初はおっかなびっくりだったが、慣れてくると喜んで触っていた。帰途、水族館前の水路でイルカが泳いでいるのを見かけた。狭い水槽から時々海へ出してやっているらしい。イルカも人間と同じほ乳類、独房生活では鬱になる。やはり気晴らしも必要なのだろう。(2009/7/31)

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更新日:2009年7月31日