<その後の一風景>
この写真は台風一過の姿ではない。ここから先の椰子並木が歩行者天国である。本来良識を前提にしていたので車止めなどない。そうすると平気でバイクを乗り入れるので、誰かがベンチを運んできて通せんぼした。それでも隙間から入るので、ゴミ箱まで持ち出したらしい。空き缶が散乱しているところを見ると、それを蹴散らして乗り入れたのであろう。もう末期症状に近い。大学に自治があると思っているのは、世の中で警察当局だけだろう。(1996)
<その後の一風景(その2)>
バイクの構内乗り入れは禁止なのに、その上、駐車禁止の掲示の真ん前に堂々と置いている。違反の二乗である。ここはピロティー、雨に濡れない絶好の場所だと思ったのだろう。倫理感覚の麻痺した官僚や金融マンも、こうした学生のなれの果てか。こうしてみると、昨今の世相についても、自治を喪失した大学の責任が大きいようにも思う。(1998)
<その後の一風景(その3)>
雨が降り出したので,傘を差して生協に買い物に行った。帰りに傘がない。誰か間違えたのだろう。名前と電話番号を書いたテープが巻いてあるから、そのうちに気がついて連絡があるだろうと思った。学生が「甘い、甘い。それは間違えられたのではなく盗まれたのです。自転車でさえ何とも思わず失敬するんだから。テープなんて剥がせばいいでしょ。」と言う。賭をしたが、結局負けてしまった。嗚呼。(1998)
<その後の一風景(その4)>
最近、ついに上述の植物園入口に写真のようなバイク止めが設置された。昔は林学科実習園として非公開で鍵のかかる扉が付いていた。私が全学の風致委員長時代に農学部と交渉し、学生たちの憩いの場として開放してもらったのである。年中小鳥のさえずりが聞かれ、ここに来ると気持ちが落ち着く。そこをバイクが走り回るなどとは考えても見なかった。不明を恥じる。(1999)
<その後の一風景(その5)>
大学祭になると、玄関のガラスが割られるのは年中行事になった。大学公開の日だから、外部の者の犯行だろうということになっていた。ところが、ついに普段の日に割られる事件が発生した。分厚い硬質ガラスだから、酔ってぶつかったくらいでは簡単には割れない。恐らく鈍器様のもので、力一杯割ったのだろう。意識的な犯行である。これが大学の実態なのだ。(1999)